twisted tenderness

キキの魅力って何だろう、
とマジメに考えると
とても幸せで愉快な気分になる。

キキは、
すんごくワガママで
すんごく自己中で、
すんごく天然ボケで、
すんごく甘えんぼさん、
なのに
「自分は普通」だと
思っているのだ。

無邪気なのだ。

キキの口から出る
色んな話を聞いてると、
キキはその性格のせいで
知り合いや友人と
微妙にスレ違ってたり
客観的に感じる相手の意図と
かな〜りズレた感想を述べていることが多い。

で、俺が
「そういうの少し違うと思うけどなあ」、
などと漏らすと
表情は変えずにイライラしだす。
で、
俺は
「いや、そういうのもアリだと思うけどさ」
などとフォローすることになるのだ。

要するに、
お互い違う人間だと認め合ってて、
それがよい方向へ働いてるとお互い感じるから
成立する関係なのだ俺とキキは。

二人で会話を始めると
もうズレまくりで
色んなキーワードに反応して
どんどん会話が広がって
収拾つかなくなって
「アレ？　
　なんで今こういう話してんだっけ？」
と不思議なオチで終わることが多い。

長ネギの臭いについて話してたら
東京ディズニーランドの年間パスポートの話
になってたり、とか。

ここで思い出すのもなんだが
俺は
「ワガママ」な女に弱いのかもしれん。
ワイフもそういう女だった。

いや女に限らず男でも
ワガママなヒトって
「どこかしら無邪気」で
「天真爛漫」に見えるなあ、と。

実際、キキはワガママ多いけど
俺なら全然カバーできる範囲だし。

いやいや、でも、それ以前に
キキには最大の魅力があるのだ。

二人で居るとき
会話が無くても
お互い考えてることが大体解る、のだ。

これって、スゲエ素敵なことだと思う。

今まで色んな人間とつきあったけど
俺にとってはキキが初めてなのだ。

雰囲気でお互いの気持ちを把握できるって
いうのは、
つまり「居心地がイイ」のだ。

だから今はお互い
ようやく手に入れた
「居心地のイイ空間」を
持続させたいと思ってる。

昨夜、抱き合ってるとき
お互いの背中をマッサージしながら
そんなことを考えていた俺。

多分キキも同じように考えてると思う。