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2004年2月21日 音楽
メガデス デイブ・ムスティン マーティ・フリードマン バッド・プレイジャー CD 東芝EMI 1999/08/18 ¥2,427

ヘヴィメタルとの出会いは、中学3年の頃、
音楽の趣味的には自分としては混沌としていた時代で
なんか他人とは違うもの聴いてて個性をアピールしたい、
みたいなそんな動機がキッカケだったと思う。

最初に買ったのはJudas Priestの「Defenders of the faith」。
…コレがマズかったんだろうと思う。
その重厚なサウンドとギターアレンジは俺を虜にし、
メタルマニアには多いけど、
「速さこそが音楽技術の最高峰」…みたいな
間違った固定観念に長い間囚われることになった。

厳密には、中1の頃、
W.A.S.Pの「Fuck Like a Beast」(アホっぽくて名作)
に出逢っていたのだが、
当時はパンク・ニューウェーブとグラムロックの棲み分けが
あまり明確ではなく、特に思想的なものは感じなかった。

しかし、JUDASはやばかった。
選民意識、という言葉がピッタリの
他の追従を許さないジャンルというか
アルバム全体の完成度が素晴らしかったのだ。

ひとつの壮大な物語を、45分かけて表現してるかのような。
※アナログレコードのアルバムは45分が標準サイズだった。

90年代に入り、ヘヴィメタルは
メタリカの出現によってメジャーシーンにのし上がる。
メタリカの罪は、メジャーに受け入れられようとするあまり
ヘヴィメタルの持つ独特の様式美を捨て
ポップでキャッチーな曲を量産したことだったと思う。
メジャーレーベルのメタルアーチストは
メタリカの成功を見て、右へ習え、と作風を真似始め、
いつしかヘヴィメタルは、歌詞の内容も曲のコンセプトも
陳腐なハードロックと同質のものに変化していった。

で、今作。
メガデスは、メタリカの被害を最も色濃く受けたアーチストで
元々はメタリカ以上のセンスと技術があったのにも関わらず
メタリカを追うあまりにダメになったケースの典型だ。

彼らの最高傑作はサードアルバムの
「Rust in Peace」だと思うが、
それは、余りに密度が濃いい曲構成だったため
一部のメタルファンからも
「これはスラッシュメタルなの?」と疑問視されるような
敷居の高すぎる作品だった。
※俺は一番好きだけど

完璧すぎる作品を作った後のプレッシャーなのか
「Rust in Peace」以降、メガデスはどんどんダメになっていく。

メタリカが「Black Album」でグラミーを取った後は、
メタル界全体が気の抜けたミドルロックをプレイするようになり
その風潮に従ったメガデスの最「低」傑作が
このアルバムだ。

オメーラ、ボンジョビかガンズ&ローゼスかっつーの!
商業ロックに成り下がった哀れな末路。

侘び寂びを感じるのにピッタリな一枚

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