輝夜姫

2004年6月2日 読書
ISBN:4592175077 コミック 清水 玲子 白泉社 2001/03 ¥410

最近、マンガを余り読まない。
出版社在籍時は、週間少年誌を
一週間に5冊も定期購読していたが、
出版業界抜けてからは
周りでマンガ読んでる奴が全然居なくなったので
必然的に俺も読まなくなった。

そう、ゴールデンタイムのドラマと同様に
「周囲との話題を合わせるための趣味」だったのだ、
マンガは。

小学生のころは、一般的な同世代の男子と同じように
「リングにかけろ」にハマっていたが、
それ以外は特に興味が出ず。
中学に入るころには全然マンガを読まなくなっていた。

んで、高校に入っても全然マンガ読まずに過ごしていたのだが、
このあたりで我が人生的にキーポイントな出会いがあった。

高校2年のころ、中学時代の仲間と久しぶりに集まったときに
違う高校の奴から「すげー面白い奴が居るんだよ」と聞いた。

それが、俺と
小倉という男の出会いだった。

彼は、特に、マンガや映画やプラモデルや兵器の知識が豊富で、
くだらないウンチクを語るのが得意な、
…当時、そういうコトバは無かったが、所謂「オタク」だった。

まだ、オタクという人種が徒党を組んだりして
社会的な嫌悪感を持たれる以前の時代である。

俺は、彼と会った時、素直に
「コイツの知識は凄い」と感動した。
そしてそれは尊敬に値するとまで思ってしまった。

彼は、少々視野が偏っているものの
膨大なクリエィティブマインドの塊であり、
我々は分野こそ違うものの
知識の交換など切磋琢磨をする仲間になった。

実際、それから数年後、俺と小倉は
退屈な長崎県を二人で原付バイクで飛び出すことになった。

そして、また数年後、
俺は、東京の某出版社へバイトで入り、
当時服飾店でバイトしていた小倉は
「お前が受かるんなら、俺も絶対受かるハズだ」
という妙な自信を元に面接を受け、
…コトバ通り、採用されたのだった。

約一年で、俺の地位を超え、
その出版社の役員から多大な信用を得て彼は独立した。
それは、むしろ、小倉伝説の始まりであり、
その伝説は現在まで終わる気配が無い。

話を元に戻そう。

なぜ、今回、小倉との思い出を書いたのかというと、
それは高校時代に彼の部屋に行ったときのことを
思い出したからだ。

俺、
「…ねぇ、これって全部少女マンガなんじゃあないの?」

小倉、
「バッキャロー、白泉社はマニアの登竜門なんだよ!
 貸してやるからお前も読め!!」

と、押し付けがましく、しかも強硬に
「CIPHER」「僕の地球を守って」「ここはグリーンウッド」
「SO WHAT」「月の子」
というコミックを渡されたのだった。

これが、俺と白泉社の出会いであり、
正直、その独特の世界観には興味が沸いた。
…が、それが良かったのかどうかは非常に微妙な感じだ現状。

つまり、

「知らなくても良い世界がある。」

のだ。

映画「アイズワイドシャット」みたいな感じだな。

コトバにすると、あれだ。
「耽美」

とにかく出てくるキャラクターは全員
美少年と美少女であり、
彼らは性別を超えてお互いの美しさを称えあう、
そんな世界が、白泉社のコミックには溢れていた。
また、現実感がまったくない舞台設定も
夢見がちな少女を騙すには充分過ぎる仕掛けであり、
実際、白泉社のコミックが好きな女子は…、

まあ、なにしろ、
先週末キキの実家にメシ食いに行ったら
キキの妹が「お兄ちゃん、これ面白いから読んでね」と
非常に可愛らしい笑みと共に貸してくれたのが
この「輝夜姫」であり、
それを見た瞬間俺は過去の呪わしくて甘美な出会いを思い出し
ゲンナリしつつも読み進めたということだ。

あー、最後にちなむが
キキの妹は、
従来の白泉社が好きな女子とは全然違うタイプであり
かなり美人だし、痩せてるし、外交的な性格だ。

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