Video Game セガ/スリーディー・エイジス 2004/03/25 ¥2,625

ゲームのことでも書こうかねえ、と思い
まさかこんな古いゲームAmazonに売ってねえだろ
とテキトーに検索したら、引っかかってチョビ興奮した。

えー、むしろ欲しいです。つまりこのソフト持ってません。
ので、原作ともいえるセガマーク3版のレビューを書きます。

まず、「セガマーク3」というゲーム機を知っている人間は
非常に少ないだろうと思う。
時代的には、最近、復刻活動が盛んである
任天堂ファミリーコンピュータよりも
少し後に発売された(と思う:記憶曖昧)ゲームマシンである。

で、我々(長崎の友人一同)の高校時代は、
世の中がファミコンフィーバーな時代であり
もう誰の家に行ってもファミコンがあって
酒でも飲むか(我々は中学時代から酒飲みだった)というときに
徹夜でダベりながら、酒を飲みつつファミコンをやるのが
トレンドだった。

といっても、前述の通り、
俺の実家は教育上の都合によりTVが無い家庭だったので
我が実家に友人らが集まることは無かったし、
当然、ファミコンなんか買ってもらえるわけもなく。
しかし、学生時代の俺は、ゲームこそ全然やってなかったが
「親父の自宅接待」のおかげで幼少の頃から触れることが出来た
「麻雀」だけは非常に強い男だったりした。

そのおかげで、俺は実家にテレビ無いのに
ファミコンやMSX、アルカディア(がふッ)などのゲーム機本体を
「麻雀の賭け対象」として、友人達からせしめていたのだった。

そんなある日の麻雀で、やはり勝ってしまった俺は
ある友人から「ファミリーベーシック」を貰う約束をした。

当初、「光速船」か「ぴゅう太」のどちらかを
頂ける予定だったのだが、
急遽「ファミリーベーシック」に変更した。

で、実際の受け渡しの日に彼に会った俺は
少し騙されたのだった。
彼は「ファミリーベーシック」を持ってこなかったのだ。
彼曰く
「あれ今、妹が気に入ってるんだよ〜、
こっちでカンベンしてよ。ゲームも色々付けるからさあ」
とのことで、袋を開くとそこに
「セガマーク3」があったのだった。

で、別の飲み会のとき、それは仲間に披露されることになった。

聞いたことも無いゲームマシンとゲームソフト、
それは我々の酒のつまみにほどよく適していたと
…最初は思った。

いつものように酩酊した頭で、
ゲームカセットを差込み電源を入れる。

「北斗の拳」

うおー、すげえ、これ、あのマンガの奴だよなあカッチョエエ

といっても俺は前述の通り、
高校時代にはマンガ読まなくなっていたので
「北斗の拳」というマンガは読んだことないし噂で知ってる程度だった。
上の場面で騒いだのは友人である。

「とりあえずやってみるか、
 …今週のびっくりドッキリメカ発進〜
 ポチっとな…」

「…うえー、なんじゃこりゃ、わー死んだ、
クソゲーじゃん、コレー」

なにしろ、そのゲームは、恐ろしいほどの難易度で
我々飲み仲間の気持ちよい酩酊状態をダイナシにした。

そんな感じでファーストインプレッションは最悪であり、
その後しばらくそのゲームマシンは封印されることになり、
我々はいつものように「メトロイド」を始め
いつものように誰かが最後の脱出シーンで何度も足場を踏み外し
怒号を飛び交わせるのだった。

しかし、人間は「ナニゴトにも飽きる」動物なのだ。

ある晩、酒を飲んだ後、冷蔵庫から出したドンブリゼリー
(ドンブリでゼリエースを作ったもの)を、
モシャモシャ食いながら誰かが言った。

「なあ、こないだのアレ、やろうぜー」

封印は紐解かれた。アッサリと。
あのムツカシイゲームを我々の手で征服するべく。

そして挑戦が始まったのだった。
その攻略は熾烈を極め、正味半年以上の時間を
我々は打倒「北斗の拳」に費やした。

いくつも発見されるテクニックの数々、
(知らない人には暗号ですよ下記…)

「おい、これ、キックよりパンチのほうが出るスピード速いぜ
 今からキック禁止なー」
「中ボスをノーダメージで倒すとボーナス点が凄いぜー」
「つか、ボスって、胸とか足とか、順番に攻撃当てないと
 ダメージにならないみたいだぜー」

で、
「残りタイム79秒でハイジャンプしたら変なの出るぜー」
「背景の狛犬の鼻殴ったら変なの出るぜー、
 音楽がカッチョエエのに変わるぜー」

そして、
「わ、ボスをノーダメージで倒したら、
 次の面の最初にハイジャンプしてみなー」
…この発見は、我々の意欲を大いに盛り上げた。

しかし、ある場面で、我々の追撃は急停止してしまう。

「トキ(ボスキャラ)、絶対倒せなねえよ!」

どんな攻撃もノラリクラリとかわし
的確にカウンターを入れてくる強敵、
「トキ」の出現に我々の行く手は阻まれたのだった。
あらゆる戦略を考え、実践しても要を得ない。

そんなとき誰かが、
「なあ、原作のマンガでも読んでみるかー?」
と言った。
そう、我々は原作のマンガを読んだことが無かったのだ。
もしかしたら、そこに劇的なヒントが
隠されているかもしれない可能性はあったのに。

翌日、バイクを飛ばし、古本屋で立ち読みを敢行する。

「おい、「柔の拳」がどーとか、なにやら変な展開だぜ」
しかし、その原作の話は、
ゲームの攻略に恐ろしいほど役に立った。
攻めるだけでなく、受ける拳、それが「柔の拳」なのだ。

ゲームに戻る。

トキが攻撃してくるまで待つ、
そして攻撃を受けたらカウンターで返す、
…コレだ!

体力は五分だが、そこはゲームだ。
体力メーターギリギリの最後の一発だけは
ケンシロウ(主人公)の攻撃のほうが強かったのだ。

「ケンシロウはじゅうのけんをおぼえた」

…押し寄せる感動、ゲームで感動したのこれが初めてかも。
我々は狂喜乱舞し、ひさしぶりにうまい酒を飲んだ。

が、しかし、その感動は新たなる恐怖への幕開けだった。

「…サウザー(ボスキャラ)、倒せねええええ」

我々は、再び古本屋にバイクを飛ばす。
原作によると、サウザーは「秘孔の位置が逆」なキャラだ。
それをゲームでどう逆にすればいいのか、まるでわからなかった。
いや、ダメージはなんとなく与えられるのだが、
最後の一撃が、どう攻撃してもダメージにならないのだ。
しかし、その答えも原作に隠されていた。

「もしかして、原作の場面どおりに
 空中に浮いてるときにしかトドメさせないんじゃないのー?」

その通りだった。
頭→胸→脚→足の順番で繰り返しダメージを与えていき、
最後の一撃を残すのみになったら
サウザーと距離を取り、
ジャンプ攻撃(食らったら死ぬ)してくるのを待つのだ。
そしてサウザーが飛び上がった瞬間!
追い討ちでケンシロウもジャンプさせパンチ。

ガッツーン「北斗有情拳!」

そして、次は念願のラスボス「ラオウ」。
んで、これまた、もう死ぬほど倒せないわけで…。



なにしろ、そんな現実のドラマを生み出してくれた
尊いゲームなのだ。「北斗の拳」セガマーク3版は。

つか、これのせいでセガというメーカーに惚れ、
数年後俺はセガのゲームマシン情報誌の編集者になったりした。
今考えると、間違った出会いと間違った職選択だったような気も
しないでもない。
あのときファミコンばかりやってればなあ…

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