ISBN:4150202192 文庫 井辻 朱美 早川書房 ¥720

親父が洋書マニアだったため、
「ホビットの冒険」を俺に執拗に勧めてきたのが小学5年の頃。
小学6年の頃には、THE HOBBITの英語版原書や
MSX(というコンピュータが昔あった)用ゲームソフトの
「THE HOBBIT」(全編英語)が手元にあった俺。

俺が英語が好きになったなのは、
THE HOBBITの原書を読むためだったのが最大の理由である。
訳書と原書を見比べながら、単語を理解していったのが
懐かしいなあ。
小学6年から英語を勉強していたため
中学3年間は、英語の試験だけ常に学年一位だったりした。

「ホビットの冒険」は「指輪物語」の序章的な作品であり、
現代のファンタジー作品の基本的土台になっている
恐ろしく完成された世界だ。

何も無いところから物を生み出すのは大変な偉業だと思う。

正直、子供の頃、こんな世界観を妄想できるなんて
トールキンはさぞかし狂人だったのだろうと恐ろしくなった。

さて、そんな感じで、純潔のファンタジーで
新たな読書の世界を知った俺は、
どんどん読書に傾倒していった。
小学5年から高校3年までに
創元推理文庫とハヤカワ文庫(新書含む)を
半分以上網羅していたと思う。

その過程で出会った、記憶に残る作品が
この「ランドオーヴァー」だ。

当時、ファンタジーつうと、主人公は子供、
みたいな固定観念がアタリマエに蔓延していた。

しかし、このランドオーヴァーの主人公は
現実に疲れ果てた中年男性(ここ笑うとこ)だったのだ。

現実にやさぐれて、なんとなくファンタジー世界に迷い込む、
という、…ん? ピーターパンシンドローム??
な世界観がステキなのだ。

※日本でいうところ富野由悠季のバイストンウェルは
これのパクリだと思う。

主人公が大人であるため、
通常のファンタジーではありえないシーンも多かった。

ファンタジー世界住人との恋、そしてセクース。

シルフ(妖精さん)女子との間に子供まで作ってしまう。

後のオタクマンガに多大なる影響を与えたのではないかと思う。

だが、もちろん、そんな下世話な魅力だけではない。

物語は結構緻密に構成されており、
シリーズを読み進めると
伏線そしてどんでん返し的な仕掛けが沢山隠されている。

ハリーポッターなどの「子供もの」に食傷気味のかたにオススメ

リスク

2004年2月21日 音楽
メガデス デイブ・ムスティン マーティ・フリードマン バッド・プレイジャー CD 東芝EMI 1999/08/18 ¥2,427

ヘヴィメタルとの出会いは、中学3年の頃、
音楽の趣味的には自分としては混沌としていた時代で
なんか他人とは違うもの聴いてて個性をアピールしたい、
みたいなそんな動機がキッカケだったと思う。

最初に買ったのはJudas Priestの「Defenders of the faith」。
…コレがマズかったんだろうと思う。
その重厚なサウンドとギターアレンジは俺を虜にし、
メタルマニアには多いけど、
「速さこそが音楽技術の最高峰」…みたいな
間違った固定観念に長い間囚われることになった。

厳密には、中1の頃、
W.A.S.Pの「Fuck Like a Beast」(アホっぽくて名作)
に出逢っていたのだが、
当時はパンク・ニューウェーブとグラムロックの棲み分けが
あまり明確ではなく、特に思想的なものは感じなかった。

しかし、JUDASはやばかった。
選民意識、という言葉がピッタリの
他の追従を許さないジャンルというか
アルバム全体の完成度が素晴らしかったのだ。

ひとつの壮大な物語を、45分かけて表現してるかのような。
※アナログレコードのアルバムは45分が標準サイズだった。

90年代に入り、ヘヴィメタルは
メタリカの出現によってメジャーシーンにのし上がる。
メタリカの罪は、メジャーに受け入れられようとするあまり
ヘヴィメタルの持つ独特の様式美を捨て
ポップでキャッチーな曲を量産したことだったと思う。
メジャーレーベルのメタルアーチストは
メタリカの成功を見て、右へ習え、と作風を真似始め、
いつしかヘヴィメタルは、歌詞の内容も曲のコンセプトも
陳腐なハードロックと同質のものに変化していった。

で、今作。
メガデスは、メタリカの被害を最も色濃く受けたアーチストで
元々はメタリカ以上のセンスと技術があったのにも関わらず
メタリカを追うあまりにダメになったケースの典型だ。

彼らの最高傑作はサードアルバムの
「Rust in Peace」だと思うが、
それは、余りに密度が濃いい曲構成だったため
一部のメタルファンからも
「これはスラッシュメタルなの?」と疑問視されるような
敷居の高すぎる作品だった。
※俺は一番好きだけど

完璧すぎる作品を作った後のプレッシャーなのか
「Rust in Peace」以降、メガデスはどんどんダメになっていく。

メタリカが「Black Album」でグラミーを取った後は、
メタル界全体が気の抜けたミドルロックをプレイするようになり
その風潮に従ったメガデスの最「低」傑作が
このアルバムだ。

オメーラ、ボンジョビかガンズ&ローゼスかっつーの!
商業ロックに成り下がった哀れな末路。

侘び寂びを感じるのにピッタリな一枚

AUGUST

2004年2月21日 音楽
加地秀基 住田芽衣 住田奈歩 CD ポリスター 1998/07/29 ¥1,748

あんまり好き過ぎて、同じCDを2枚買って
さらに2枚関係者から貰って、合計4枚持ってて
今の彼女と前の彼女に一枚ずつあげたCD。
もちろん買ったほうだけど。

一人のアーチストをどれくらい好きになれるか。
カジくんは、前述の友人・木村くんが教えてくれたのだが、
ファーストアルバム以後、さまざまな経緯を経て
もう一歩で本人と知り合いになれたかもしれない面白いケース。

※木村くんは本人と自分のイベントオ−ガイナイズ関連で
打ち合わせしたことがあるらしい…。

さておき、このアルバムは
カジヒデキの作品の中でも特にステキな一枚であり、
体裁はミニアルバムだが、他のフルアルバムよりも
チカラが入ってるような感触がある。

それは、1曲目の「45 is magic number」が
ローファイなサンプリングを駆使した
チープなのに重厚なオーケストレーションが醸し出している
だけではなく、
全体的に楽器とリバーブの組み合わせが絶妙だなあ、というか
プロデューサーのこだわりを感じる音質だというか、
とにかくなんか凄いのだった。うまく言えなくてスマン。

俺は、J-POP含め、
いわゆるバンド系以外の日本語の歌詞は
全体的に商業臭くて気に入らないのだが
カジとフリッパズギターの歌詞だけは
とっても好きだ。

曲自体は…、前にも書いたが
音楽にオリジナリティを求めるなら
聴かないほうが良いかも…。
※あー、60〜70年代のソフトロックとか
ラウンジミュージックが好きなんだろーなー、と
カンタンにわかるようなパクリっぷりです。

というのも彼らの歌詞には面白い特徴があって、
まず歌詞の内容に意味がないものが多いのだ。
メッセージ性も弱い。つまり押し付けがましくないのだ。

なんか、
オニャレなキーワードを思いつくままデータベースに登録し、
ランダムで組み合わせたものを出力した結果?みたいな。

耳障りのよい単語と比喩が組み合わされ
日本語としては意味不明だが
音楽としては最適だというか。

いや、そういう意味でなく歌詞が好きなアーチストも居るから
※安藤昇とかな。
別に商業くさい歌詞を否定するわけじゃあないけどね。
ホーム&キッチン Braun ¥12,000

俺は、料理するとき、必ずタマネギを刻む。

タマネギが使われない食事なんて
この世に存在するわけがない、
というくらいタマネギを刻む行為は日常的なのだ。

で、タマネギは、刻む前に一定時間冷蔵庫で冷やしておくと
催涙効果が薄れる。

しかし、俺の目は、そんな些細な催涙攻撃にも屈しやすい。

涙で視界が曇ると、調理スピードが極端に落ちる。
これは非常に頭を悩ませてきた命題だった。

俺は、完成目標時間を設定して、調理を始める。

例えば、米を砥いで、自販機にセットして
炊き上がるのが40分後、蒸らすのが20分、
つまり、合計60分強でオカズを作るのが理想的なのだ。

タマネギごときに邪魔されるわけにはイカンのだよ。

しかし、タマネギは絶対的に使う食材であり、
避けては通れない。

タマネギが入ってないカレーの味気なさ、とか
タマネギが入ってないコンソメスープ、とか
タマネギが入ってないピラフ、
…そういう苦い経験を経て調理の腕は上がっていくのだと思う。

そして、それは俺をまたしても衝動買いへと走らせるのだった。

…この製品は、
メインとなる回転軸コントローラに
用途の異なるアタッチメントを付け替えて
調理の下ごしらえを円滑に行うのが目的だ。

つぶし・砕きアタッチメントを使えば、
ちょっと固めのチーズブロックを粉砕し、
荒削りな粉チーズが作れるし、
カツオブシも自家製が作れる。

泡立て器アタッチメントなら、
今までボール一杯のスポンジケーキの元を
額に汗し筋肉痛になりながら混ぜていた作業が一瞬で終わる。
氷で冷やしながらやる必要もなくなる。

で、スライスアタッチメント、…コレ最強。
タマネギの野郎を4つ切りにしてカップ容器にブチ込んで
あとはスイッチを入れるだけ。
容器のフタが不用意な催涙攻撃をしっかりガードしてくれる。
もちろん、ブロック肉を入れれば、自家製ミンチが作れるし、
※これでハンバーグ作るとウマイのよ、マジで。
ゴマや胡桃やニンニクを粉砕するのも即終了。

なにしろ、今まで力仕事だった面倒くさい下ごしらえが
驚くほど楽になり、しかも時間短縮にも繋がるのだ。

常用可能な調理ツールであり、
まさに一家に一台揃えていただきたい逸品である。
ちょーオススメ。

唯一の欠点が、
高回転モーター内臓によるコントローラ本体の重さ、だが
他社の同種の製品と比較して最も軽く、
持ったときにバランスが良いのが、この製品だと思う。
ホーム&キッチン DeLonghi ¥19,800

長年自炊をやってると、大抵の人はある壁にぶつかると思う。

あー、自宅であったかいトンカツが食いてえなあ、とか。

そう、揚げ物は、作るより買ったほうが圧倒的に安いのだ。

例えば、トンカツ一枚揚げたいだけでも
数リットルの揚げ油が必要になるうえ、
使用後の油を片付ける手間を考えると、
スーパーのお惣菜コーナーで一枚200円のトンカツ買ったほうが
どうにもコスト効率が良いのだ。

しかも、揚げ物は、大量の油を使い、高温の火で温める為
初心者が手を出すには、非常に危険な調理なのだ。

ただ俺は、あるとき、どうにもそのジレンマを認めきれずに
なんとか自宅で安く揚げ物をやる方法を模索したのだった。

そこで発見したのがコレ。

揚げ物鍋でやるよりも全然少ない油の量で、
しかも、電気だから、うっかり火が燃え移ることもない。

なんて理想的な機械なんだー!

と狂喜乱舞し衝動買い。

この製品の便利なところは、
温度が電気調節なので目的の油の温度を維持できること、
フタを閉めて調理するため油がハネることがないこと、
調理後油を処理するときに器具下部から簡単Jに油抜きができ、
お手入れが楽、
容量が小さい分、油の量が少なくて済み、
2人分くらいを揚げるのにピッタリ、
ということかな。

とはいえ、やっぱりスーパーとのコスト比較では負けるし
容量的に大人数には対応できないという弱点もある。

子供が居ない新婚家庭や、
同棲相手にたまにはうまいもん食わしてやろう
というシーンでのみ活躍できるビミョーな価値の機械だ。

安いし、あってもいいんじゃあないでしょうか?

HOLIDAY IN THE SUN EP

2004年2月20日 音楽
cornelius 小山田圭吾 Cornelius swingle si CD ポリスター 1993/09/10 ¥1,942

音楽にオリジナリティを求めていた俺にとって
トラットリアとの出会いは、まさに試練だった…。

これに関しては、友人の木村くんの影響が強い。

俺と木村くんは、8年ほど前
都内のクラブを巡っていた。

いまや田舎もんの聖地と化した、青山ブルーを皮切りに
渋谷・新宿・恵比寿のクラブを夜毎に徘徊するような
そんな青春だった。

クラブの客層というのは、見事に3分化されており、
・真性のヘヴィなクラバー(暗い目をしてる人種)
・ナンパ目的の男女(少しハデめ)
・上京したてのクラブ入門者(あかぬけない)

この中で一番多いのが、「ナンパ目的の男女」であり、
時間帯で言うと深夜25:00から26:00あたりで、
その数が減っていくのが特徴だ。
※お持ち帰り・帰られるのだ

で、残りのフロアで一心不乱に踊り続けているのが、真性。
フロアやラウンジでうずくまっているのが
まだ恥じらいが抜けない初心者、だ。

で、真性のクラバー、というのがクラブのダイゴミというか
カラーというか、なにしろ場所やイベント内容によって
雰囲気がまるで変わるのだった。

で、俺は、ある種のイベントで見かける客層に
ひどく関心を持つことになった。

「ねえねえ木村くん、
 なんで彼らはクラブイベントなのに
 あんなにバッチリ、オシャレしてるの?
 あれじゃ踊りにくいでしょ??」

当時の俺は、膝下丈の半ズボンに、ポンプフューリー、
無印の長袖ボーダーシャツの上に原色半袖Tシャツか
半袖フードコートを重ね着、みたいな
「テクノ系」だったのだ。

「あー、海さん、
 トラットリア系の男子や女子は
 あーいうオニャレさんが多いんですよ」

「…ほよ?
 それなあに??」

で、紹介してもらったのが、
木村くんの趣味でもあったトラットリア系なのだ。

確かに、木村くんは出会ったころから
細かい気配りがステキなオニャレさんであり、
彼の綿密なファッション指導のおかげで
俺はある種のセンスを手に入れることが出来たのだ。

さておき、そうして買いあさり始めたトラットリア系に
俺は最初から違和感を感じていた。

「ねえねえ木村くん、
 これってパクリばっかりだよねえ?」

「海さん、この種のパクリは
 オニャレと思われるんですよ、この手の音楽でわ。」

…うーむ、確かに、
ラウンジミュージック独特のチープな雰囲気てのは
あからさまなパクリとローファイさが占めている気がするよなあ
と。

で、俺は、やっぱり、
自宅のMTRとエフェクター、あとS-300で試行錯誤したのだった。

結果的には
「わ、確かに、楽器の種類とアレンジを組み合わせるだけで
 なんとなくオニャレな雰囲気になるね!」

ミニムーグ系のオルガンとローファイのリバーブ、
22khzでサンプリングしたものをワザと11KHZで鳴らしたり、
そんな組み合わで、その雰囲気はかもし出せるのだった。

オリジナリティを押し出しても、聴く側には伝わりにくく
むしろ、あからさまなパクリでも聴き覚えがあるほうが
耳に馴染みやすいのだ。
それが独特の雰囲気を作ることもある、と。

近年で言うところの、
ラブサイケデリコやトミーフェブラリーは
これで成功したパターンだと思う。

そういう意味で
勉強になった作品なのだ、
このアルバムは。
プリンス&ザ・レボリューション レボリューション プリンス CD ワーナーミュージック・ジャパン 1997/02/25 ¥1,748

俺は、
プリンスをデビューアルバムのときから
ずっと追いかけてて、もう、なんつーか
一緒に成長してきた、みたいな
そんな妄想まで抱いちゃうほど
近視観のあるアーチストなのだ。

ファーストアルバムの「For You」が
小学6年の頃読んでいたミュージック・ライフ
(か、FM STATION)で紹介されてて割りに酷評だったのだが、
確かマイケルジャクソンのオフ・ザ・ウォールか
セックスピストルズのネバーマインドを
輸入レコード屋に買いに行ったときに
なんとなく手に取ったのを覚えている。

ファーストを聴いたときは、
わー、なんかサタデーナイトなフィーバーだなあ、と
ディスコミュージック的な感動を覚えたのだが、
アルバムを重ねるにつれ、同年代の音楽と比較して
その音楽性の完成度の高さにどんどん魅かれて行った。

すべてを包括したジャンル、というか
パンク・ニューウェーブとは切り口が違うものの
型にはまってない自由な音楽というか、
それがプリンスの魅力だった。
実際、80年代の洋楽シーンは
プリンスの背中を追い続けていたようにも見えた。
プリンスがニューアルバムで実験的なグルーヴを作ると
それを模倣した音やアレンジの曲が
常時ヒットチャートにランクインするようになる、というか。

そんな彼の、このアルバムは
俺が中学3年のときに発売された。

受験や進路で悩んでいた頃で、
バスケ部の練習帰りに体育館で大声で
タイトル曲「パープルレイン」を熱唱したなあ。
(↑変な中学生…)

同じ体育館で練習していた
バスケ部やバレーボール部の女子に
変な目で見られたのを痛烈に覚えている。

というのも、当時の中学3年生といえば
洋楽聴き始めの頃で、彼女達のお好みは
デュランデュランとかカジャグーグーとか
ジーアイオレンジとかチャーリーセクストンとか、
要は「化粧した男つーか耽美系洋楽アイドル」だったのだ。

女子のほとんどは
「プリンスってキモイよねー」、
と、煙たがっていた。

ちなみに、高2の頃、岡村靖幸を聴いていた頃も
同じような体験をした…。

このアルバムは、映画のサントラであり、
そのため一部変な録音になっているのだが
俺の田舎では映画が公開されなかったので
実際に映画を見てアルバムの不明瞭な部分が理解できたのは
DVD版を買ったときだったりする。
ただ、サントラとしてではなく
普通のアルバムとしても聴けるクオリティであり、
収録された幅広い曲調は
彼の天才ぶりを体験するには最適だと思う。

サザンオールスターズで言うと「鎌倉」
佐野元春で言うと「VISITORS」
そんな実験的な名作、かな?

結晶 SOUL LIBERATION

2004年2月19日 音楽
オリジナル・ラブ CD 東芝EMI 1998/09/23 ¥1,714

結晶 で検索したら
オリジナル・ラブとイエス
両方引っかかって
どっちにしようか迷ったんだけど
今回はこちらで。

もう10年以上前、俺は、渋谷の東急ハンズでバイトしていた。
ハンズの裏にはパルコがあって、
ある朝その壁一面にあるアーチストのデビューアルバムの
告知が書きだされていた。

それが俺とオリジナル・ラブの出会いだ。

正直、そのデビューアルバムはピンと来なかったのだが
後日買ったこのアルバム「結晶」は、
割りに革新的な出会いだった。

あふーん、カッコよい〜!

ファーストで空回りしてた情熱が
カタチになってる、というか、
まさしく「結晶」だなあ、と思った。

ジナラブ総じて言えるのだが、
歌詞は商業狙いのクズっぽい内容だけど
楽器(音そのもの)へのこだわりとアレンジの幅広さが
とても煮詰まったのがこのアルバムだった。

へぇー、こんな音、どうやって録音するのかしらねえ
などと自宅でエフェクターとMTRいじりながら
試行錯誤したりした。
そういうのは
ドナルドフェイゲンのNightFly以来なのだった。
だから鮮烈に覚えている。

今聴きかえして見たら、そうでもないのだけど
なぜか当時興奮した。
スミス CD ワーナーミュージック・ジャパン 1997/11/25 ¥1,700

高校3年の夏、
80年代ポップスを懐かしむのにも、
パンクやメタルに食傷気味だったのも、
とにかく新しい音楽が聴きたいなあ、と
なにげなく輸入レコード屋で手に取った一枚。

ジャケ買い、って奴ですな。

ジャケのイメージ的に、
ディスチャージみたいな
思想派ハードコアパンクだと思って買ったので
初めて針を落としたときは

なんじゃこりゃー

と思った。

が、

微妙なコード進行と微妙な歌詞に
すぐ虜になってしまった。

これがあったから、
その後、ニルヴァーナとか(の世界観が)
好きになったんだと思う。

メローなコード進行なのに
激しいギターのカッティング、
そして気だるいボーカル、
しかも、とんでもなく陰鬱な歌詞、
世の中に対しての逆ギレ? 
みたいな名盤だと思う。

近年、初期のショッキングレモンに、
これに似た暗い輝きを感じたのだが
それはすぐに色褪せてしまった。
やっぱり日本人には無理なんだろうなあ。
ISBN:4061272748 − 佐野 洋子 講談社 ¥1,400

俺が常々思う
「人生は美しくありたい」
を教訓としてくれた本。

また、
人は一人では生きていけないんだなあ
と幼少の砌に感じさせてくれた。

多分、最初に読んだのは小学2年生くらいかなあ。
ISBN:4566010511 単行本 Roald Dahl 評論社 ¥1,400

映画「トレインスポッティング」で、
どういう場面だったか忘れたが
麻薬でラリってる主人公が、友人に対して
「ロアルドダールみたいな世界か?」と
聞くシーンがあった。
※字幕には訳されてなかったけど。

まあ、そんな「麻薬でラリってるような」SF小説を
世間ではドラッグ小説と呼ぶらしい。
後期のフィリップ・K・ディックとかな。

これまた映画ネタで恐縮だが
岩井俊二監督の「ラブレター」でもやっていた
「誰も借りてない本を自分が最初に借りる」
という奇妙な遊びに、俺も中学時代ハマっていたのだ。

その背景には、俺の実家が
父親の教育方針でテレビが無い家庭
だったことがある。

なにしろ、その流れで借りて、
強烈に印象に残っているのが、この本だ。

読むものに強烈なトラウマを刻む内容だというか。
夢いっぱいの世界の裏に潜むドス黒い悪意、というか。
さりげなく現実を批判している小説だったりする。

批判小説といえば、
田中芳樹の「創竜伝」シリーズもそんな感じだが
あんな生ぬるくて陰湿な批判ではない。

金持ち イコール 悪

という絶対的に偏った価値観を植えつけようとするのが
ダールの狙いだったのではないだろうか。

いや、偏ってるとも言えないか。
世界での観念的な金の量が一定だったとして
誰かにそれが偏るのは
その誰かがズルをしてるのが現実だ。

金持ち イコール 悪
ではないけど
金持ち イコール ズルい人間
は、真実だ。

人並み以上の快楽を求める余り、
他人を裏切り、蹴落として、あまつさえ殺しながら
金は誰かの元に集まるのだ。

そして、本当にズルい人間は、
特に日本国内では「頭が良い」と称される。

そんなことを生まれて初めてリアルに感じさせてくれたのが
この「チョコレート工場の秘密」だった。

俺の実家は、中流の上くらい裕福だったが
当時中学生の俺には、その理由を考えるのは重かったなあ。

ちなみに、この小説は、
内容を曲解した者の手によって一度映画化されている。

原作を純粋に好きならオススメしないが
世界に名高いディズニー映画なので
ネタとして見るのは一興かも。
タイトルは「夢のチョコレート工場」。
そもそもは白黒映画なのだが、
後年に無理やりカラー化したバージョンのほうが
ドス黒さが増していて良いと思う。

俺はDVD版を買った。
ISBN:4062023636 単行本 佐々木マキ 講談社 ¥1,650

あー、えーと、90年代までの村上春樹には
「羊男」シリーズと「ワタナベ君」シリーズという
2つのテーマがあったのだ。

各世界観は一部クロスオーバーしてるものの

「羊男」シリーズは、
ファンタジー、というか、頭のおかしい世界というか
とにかく漠然とした妄想世界。

「ワタナベ君」シリーズは、
純潔のジュブナイルというか、泥臭い現実っぽい世界。

なのだった。

んで、世間的に評価されてるのは後者なのだが
俺は、前者の世界観がなんとなく好きだった。

それの集大成というか、
こんなもんクリスマスプレゼントに贈っても誰も喜ばねーよ
というか、
ただ、毎回、恋をしたときに相手に贈ってて

ある意味、適正試験的に使っている本が

この「羊男のクリスマス」だったりする。

この本に初めて出会ったのが、13年前で、
今までに8回ほど買った。

でも喜んでくれたのは、
二十歳の頃つきあってた小学校教師と
今の彼女だけだったりする。

そんなドラマがある本だ。

2月17日の日記

2004年2月17日
実は先週会社を辞めた。

現在転職活動中である。

次が決まってから辞めようと思ってたのだが
いくつか内定もらってたし
貯金もまだまだ余裕があるので
失業給付が出るギリギリ(3ヵ月後)まで
厳密に職を探そうかと。

今、内定もらってるのは、
(返事を先送りにしすぎててそろそろマズーだけど)
どれも中小で、なにかと妥協点の多い会社ばかりなので
どうにもならなかったらそこ行ってもいいかなあというレベル。

キキの両親には了解もらったので問題ないんだけど
俺の実家がすんげーうるさくてゲソナリしている今日この頃。

マスターベーション

2004年1月15日
自己弁護。

前回の日記だが、

「ああ、牡蠣のネタだから
 表題が【あぇ〜ん】なのね」

と誰も気づかない予感がしたので、
説明します。

いや説明の必要なギャグは
面白いわけないんだけどね。

牡蠣に含まれる
有効な栄養素は

タウリン

亜鉛

なのです。

以上。

すまんヽ(;´д`)ノ

あぇ〜ん(志村風)

2004年1月12日
年末にキキと食いに行った生牡蠣が
最近俺史上空前の大ブームに。

海岸わきのほったて小屋で
炭火をかこんで
ひたすら牡蠣を焼く
という露店なんだけどね。

やー、味がどーのじゃなくてな、
食ったあと、体の調子がスンゲー良いのよ。
なんかこう、気分がマッタリするというか
ポワーンと気持ちよくなるというか。

キキの妹の友人が漁師やってるらしくて、
そこのつてで牡蠣を買ったら、

生牡蠣10kg(じゅっきろぐらむ)

3000円(さんぜんえん)

なのだよ。

ガッハッハ☆
もう食いまくりでんがな。

家庭で食うときはだな、
深手の28〜32cmの鍋に
貝ごと10数個牡蠣をブチこんでだな、
そのまま火にかけるわけだ。

で、
10分ぐらい強火にかけてると
ガッパガッパ貝が開いて
潮を吐くわけなのだ。

それをだな、
フォークでこじ開けて
とりあえずはそのまま
ツルっと頂くのだ。

潮の香りがほどよい調味料となって
もうバカうまなのだよ。

んで、5-6個、頂いたら、
次は、ぽん酢をたらしてみるのだ。

がふっ!
これまた、ウメーわけです。

んで、後はもう好きにしろっ!

味塩コショウやマヨやタバスコや
粉チーズやもろ味噌なんかを
サクっとふりかけて、
ガツガツ食いなされ。

3連休中、俺の胃袋は牡蠣で満たされ
今恐ろしいほどの満足感の中
この日記を書いているのだった。

冬は牡蠣だ。
もう決まり。

お正月日記2004-1

2004年1月1日
先月30日から温泉へ一泊二日し、
31に帰宅した俺は、
その足でキキの実家を訪れた。

キキの母親が
「今年は海くんも
 年越しソバを食べに来なさい」
と誘ってくれたのだ。

俺の実家は、無宗派の両親で
クリスマスはもちろん
お正月も特に普通の日と変わらずに過ごす。

そういう行事ごとを
普通に実行できるようになったのは、
俺が一人暮らしを始めてからで
強いて言うなら
ワイフ(東京時代の最後の恋人)の存在が
大きかった。
ワイフは、お寺のひとり娘であり、
ワリと愛のある家庭で育った為
行事ごとにはとてもうるさかった。
俺は彼女に、実に様々な行事ごとの
作法を叩き込まれた。

「その日」じゃないと意味が無いこと。

これが基本流儀。

いくら仕事が忙しかったり
用事が詰まっていても、
ヴァレンタインデーは2月14日に
祝わないと意味が無いし、
ホワイトデーも3月14日、
父の日、母の日、敬老の日、
俺の誕生日、彼女の誕生日、
ハロワイン、クリスマス、大晦日、
などなど。

その日に向けての下準備、計画、実行は
非常に楽しい作業だった。

で、今年は、
俺の念願であった、
「家族で年越しを過ごす」という夢が、
テレビドラマや友人の家庭では
アタリマエに行われている光景が、
遂に俺も体験できたのだった。

正直、ちと泣けた。

別に俺の両親を恨んでたりはしないけど、
そのアタリマエすぎるイベントこそが
俺の求めていたものだったのだ。

キキの母親は、
大晦日に娘の交際相手が訪ねてきても
嫌な顔ひとつせずに
同じコタツに入れてくれたのだ。

とてもステキだった。

俺は心底、
この雰囲気を「俺の家族」にも
味あわせたいと思った。

up around the bend

2003年12月31日
温泉へ行ってきた。

大分の湯布院という場所。

去年キキと来た温泉は
非常に微妙な時期だったので、
今年はなんだか感慨深かった。

去年はまだ、強いて言うなら
「浮気相手」だったキキが、今じゃ
およそ周囲から公認となっている。

この一年で俺とキキは
かなりお互いを高めあってきた。

来年もさらに高まるといいなあ。

cant turn back

2003年12月15日
映画「CUBE2」を見た。

名作「CUBE」の続編ということで
すんげえ期待して再生。

謎の空間「CUBE」に閉じ込められた人々が
脱出を目指すオハナシだ。

前作のオチがなんともいえんかったので
少しは解明を期待していたのだが



ちょっと裏切られたかなあ。

多分、更に続編※を出すつもりだと思うけど、
「2」のノリのまま行くと
マトリックスの二の舞になりそうな予感。

※タイトルは「CUBE3」
(つまり、キューブ・キューブ)

いや、全体的には
まあ許せる範囲だったんだけど
・前作を知らなければ意味不明なシーンが多い
ことや
・前作より仕掛けがヘボイ
ことや
・CGに頼りすぎ
なとこが
どーにも残念だった。

平行宇宙
というアイデアは大好きなんだけど
今回の参加者は
前作に比べて「普通じゃ無さすぎる」のだ。

前作のみどころは
「謎の空間に閉じ込められた普通の人が
 徐々に狂って行くところ」
だったんだけど、
今回はそもそも全員「普通じゃない」
のが緊張感をなくしているというか。

科学者、軍事関係者、プログラマー、
弁護士、サイコセラピスト、探偵、

という、なんだか専門職ばかり
集められてるのだ今回は。

で、ワリと予想通りの謎解きと
予想通りのオチ。

あんまりドキドキしなかった。

Gonna make you sweat

2003年12月8日
今日常駐先から帰宅する際、
プッチちゃんとは別の
可愛いなあと思っていた女子(10歳年下)と
エレベータで乗り合わせた。

「ところで、海さんって
 いつまでなんですかー?」

と彼女から話しかけられたので

「あー、今月末までだよ。」

と俺。

「えー、そんな早いんですか!
 ていうか、もうすぐっじゃないですか!!」

「いやー、ホントは退職願出したの
 先月の12日だから、
 今週一杯で出社しなくても
 いいはずなんだけどね、道義的にはさ。」

「ていうか、辞めたアト、
 なにやるんですかー?」

「あー、一応東京のダチから
 会社に誘われてるんだけど
 婚約者のこともあるし
 九州で就職しようかなーと。
 どうせ年内、何もできないから
 温泉でも行く予定〜。」

「ほえー、
 東京ですかー。
 なにげにビッグプロジェクトですねー」

「いや、ビッグつーか、全然スモールだよ。
 元居た街に帰るだけだしね」



よりにもよって
久しぶりの会話がコレかい! と。

常駐先の皆さんは、
全員(総勢100名ぐらいか)
俺が辞めるのを悲しんでて、
でも俺は今の会社と
とっとと縁を切りたくて。

なんだか切なかった。

お互い元気で長生きすれば
いつかどこかで又会えるよ。

きっと。
相互のeconさんをリスペクトして
ファイナルファンタジーXIの日記でも。

思えば早いもので、
俺がファイナルファンタジーXIという
オンラインゲームを始めてから
既に一年が経過した。

俺のキャラは
タルタルで
メインジョブは
モンク45。
サポートジョブは
戦士15
ナイト15
シーフ15
侍15
白魔導士15。

…いわゆる専門用語「サポ割れ」だ。

最近は、ずっと侍を上げている。
しかも基本的にソロプレイだから
サポートジョブは、ナイトか白。

侍のサポ白、
いくらPT参加希望出してても
まったく誘われることはなく。

しかし、ソロプレイでは楽勝なジョブなので
むしろソロしかもうやってない。

参加LSは二つ。

いっこは、
ゲーム開始一週間後にPT組んだ仲間のLS。
もう他のメンバーのゲームの進め方が早すぎて
全然ついていけてませぬ。
廃人クラスのプレイヤーが沢山居て
話が噛み合わないこと多いけど、
LS創立時のメンバーとして未だに
たまに顔を出している。
すぐ後輩に抜かれるのだが
まあゲーム開始時に受けた恩とか
それなりにジェントルな人間も居るから
抜けられないLSだ。

もういっこは、
上のLSで、その進行スピードについていけない
サラリーマン仲間で結成したマッタリLS。
俺らは、毎日徹夜でログインできないし
平日昼間なんて無理無理で、
ゲームは一日2時間、という「鉄の掟」のもとに
集った仲間達のLSだ。
でも、そのLSの中でも
俺の進行スピードのノロさは絶品だったりする。
…だって、毎日ログインできないんだもの俺。
できないというかしたくない。

※あと、俺の彼女はゲームが嫌い なのだ。

ファイナルファンタジーXIの面白さは
「ぐだぐだクダラナイことをCHATしながら
 ゲームを進める」ことだと思う。

後者のLSで、
サラリーマン同士の悲哀やグチを語らいながら
ひたすら作業的にゲームを進める、
…そこがイイのだ。

だが、最近、実は
新しい楽しみ方が増えた。

それは、
メーカーが海外をサポートしたことにより、
外人が参加するようになったのだ。

当然、「自動翻訳機能」なんか無いので
日本人は日本語、外人は英語、
とクッキリ分かれたプレイスタイルに
なっている現状。

…そのうち、民族抗争が起きそうな予感。

さておき、
俺は実は英会話は結構自信あるのだ。

英検は2級。

喋ることはできないけど、
読み書きはリアルタイムで出来る。
つまりチャットなら全然問題ないレベル。

そんなわけで、

外人が増えたということは
単純に、
俺のクダラナイ会話につきあってくれる
ヒマ人が増えた

のだ。

これは喜ばしい。

こないだも、ラテーヌ平原の池そばで
カニを狩ってたら、
俺のまわりをウロチョロまとわりつく
(侍というジョブが珍しい模様)
変な外人が居たので、

hey u r motherfucker

とか話しかけたら
なにやら怒り始めたので
(外人は怒るとエクスクラメーションを
 連発するのだ。「!」ね。)

oh sorry
i cant understand what u r saying

とコミュニケート。

相手は俺の心情を察し、
どこかへ退去していった。

…英語って素晴らしい。
英語が使えるなんて
とても素晴らしいゲームだと思う。

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